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検査科だより

検査科だよりVol.63 膵臓について

2019/05/24

 

膵臓(すい臓)の役割

膵臓(すい臓)は胃の裏側にある、長さ約1015cmの左右に細長い臓器です。膵臓の周囲には胆道、肝臓、十二指腸、血管としては肝臓に向かう門脈や肝動脈、さらに腹部大動脈や腸管を栄養とする上腸間膜動脈などが立体交差していて、腹膜より背側にあり、腹膜に癒着しているためほとんど動きません。
膵臓は十二指腸側から「膵頭部」「膵体部」「膵尾部」の3つの部位に分けられています。

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膵臓の働き

膵臓は、膵液という消化酵素を、一日500~1000㏄分泌し、胃酸で酸化された消化物をアルカリ性にする働きがあります。
膵臓には外分泌機能と、ホルモンを分泌する内分泌機能の二つの役割をもっています。

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外分泌機能とは

膵液は膵管を通して十二指腸内へ送られます。
この膵液は糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいます。

 

内分泌機能とは

膵臓のなかにはランゲルハンス島と呼ばれる細胞の集まりがあります。そのなかのアルファ細胞ではグルカゴンを、ベータ細胞ではインスリンという血液中の糖分を調整するホルモンがそれぞれ作られています。

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【グルカゴンのはたらき】 → 血液中の糖分を増やす
・脂肪組織の脂肪をブドウ糖に作り変える。
・肝臓に貯えられたグリコーゲンをブドウ糖にもどす。

【インスリンのはたらき】  → 血液中の糖分を減らす
・血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませる。
・余分なブドウ糖を脂肪組織に貯えさせる。
・ブドウ糖をグリコーゲンという物質に作り変えて肝臓や筋肉に貯えさせる。

グルカゴンとインスリンは血液中の糖分のバランスを保つために、協力しながらはたらいています。インスリンは、血液中の糖を使ってエネルギーを作ります。インスリンの不足、あるいは、働きが弱くなると血液中の血糖値が高くなってしまいます。血液中の糖(血糖値)が低下すると、グルカゴンが分泌され、肝臓に糖を作らせて血糖値を上昇させます。インスリンとグルカゴンによって、血液中の糖の量が一定に調節されているわけです。

このように膵臓は、食べた食物を消化し、ホルモンによって糖をエネルギーに変えるという、2つの働きを調節する役割をしています。膵臓の機能がうまく働かないと、各細胞に栄養が供給されず、エネルギーが産生できなくなってしまいます。

膵臓の病気

内分泌機能が悪くなると血糖値の調節が効かなくなります。その代表がインスリンの分泌が低下して発病する糖尿病です。Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病があります。

型糖尿病

自己免疫によってインスリンを分泌する自らのβ細胞を攻撃しインスリンの分泌が出来なくなってしまいます。遺伝子と環境要因が原因と言われており、日本人の糖尿病患者全体の24%を占めています。発症年齢が812歳が最も多く、若年性糖尿病ともいわれます。

型糖尿病

遺伝的な背景や生活習慣による肥満が原因で、インスリン分泌量が減ってしまったり、インスリンの作用に対する抵抗が生じることによって高血糖となります。40歳以降に発症することが多く、日本人の糖尿病患者全体の約95%を占めています。

一方、外分泌機能が損なわれる状態は膵炎と呼ばれます。急性膵炎と慢性膵炎があります。

 急性膵炎

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【どんな病気?】
急性膵炎は、膵臓が自ら分泌する強力な消化酵素によって消化されてしまう病気です。膵酵素は蛋白質を分解する強力な力 をもっていますが、その能力は膵臓の外に出て初めて発揮されるようになっています。しかし何らかの理由でこの仕組みが壊れると、膵臓の中で蛋白質が分解さ れてしまい、膵臓そのものが消化されてしまう(自己消化)疾患です。
【主な症状は?】
お腹の上の部分に激しい痛みが起こります。
吐き気や熱が出ることもあります。
原因は?】
発生頻度は男性が女性の約2倍で、男性ではアルコール性が約5割,胆石性と特発性が約2割、女性では胆石性と特発性が約3割、アルコール性が1割、男性で4050歳代、女性で6070歳代に多い傾向があります。
【治療するには?】
入院して安静にし、輸液をします。 食べ物や飲み物をとると、膵液が分泌されて悪化してしまうために、飲み物をとらずに絶食することが基本です。 膵液にふくまれる酵素のはたらきを抑える薬を使います。胆石が原因の場合は胆石を取り除く手術を行います。

慢性膵炎 

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【どんな病気?】
膵臓に何度も炎症が起きると膵臓の細胞がこわされて硬くなり、膵臓のはたらきが失われていく病気です。
【主な症状は?】
お腹の上の部分に痛みがつづきます。下痢になったり、腸にガスがたまったりすることもあります。また、膵臓に結石ができたり、糖尿病を引き起こすこともあります。
【原因は?】
お酒のアルコールのとりすぎが半数以上で、それ以外は肉や脂っこいもののとりすぎ、胆石によるものといわれています。
【治療するには?】
急激に強い症状があらわれた場合には急性膵炎と同じ治療を行います。 それ以外は、禁酒やストレスを避けるなど、生活習慣を改善することが主な治療法となります。 膵臓のはたらきが低下している場合には、消化酵素薬やインスリン注射などを使います。 膵臓に結石ができている場合には、衝撃波で砕いたり、内視鏡で取り除いたりします。

膵臓がん
【どんな病気?】
膵臓がんは、十二指腸への膵液の通り道である膵管から発生したものが9割以上を占めます。また、3分の2以上は膵頭部に発生します。発症は60歳以上の男性にやや多い傾向があります。
【主な症状は?】
食欲不振、体重減少、上腹部痛、腰背部痛などの症状があります。膵頭部がんではこれらの他に、黄疸や便が灰白色になるなどが特徴のある症状です。
【原因は?】
ほかの臓器のがんと同じように、原因はよくわかっていませんが、膵臓がんのリスク因子としては、慢性膵炎や糖尿病、血縁のある家族内に膵臓がんになった人がいること、肥満、喫煙などがあります。
【治療するには?】
手術による広範囲な切除が第一選択となります。ただし、手術のみでは完全に切除できない場合もあり、放射線照射を組み合わせたり、抗がん薬を用いる集学的治療が試みられています。
【予防法は?】
禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防ががんの予防に効果的といわれています。

膵臓の検査

血液検査
膵臓の病気を疑った場合には先ず血中のアミラーゼ(膵型アミラーゼ),リパーゼ,エラスターゼ1,トリプシンなどの膵酵素を測定します。血液検査でこれらを測定し、膵臓の機能に異常がないかどうかを探ります。

膵臓がんの血液検査では、腫瘍マーカーを調べます。腫瘍マーカーは、がんから出てくる特殊な物質です。ただ、がんが進行して大きくならないと異常値を示さないため、早期診断にはあまり役立ちません。

腹部超音波検査
腹部超音波検査は、スクリーニングから精密検査まで広く利用されています。
の検査で、膵臓の中に腫瘤はないか、膵管が拡張していないかなどをチェックします。

CT検査、MRI検査、磁気共鳴胆管膵管造影検査(MRCP

CT検査とMRI検査は、腹部超音波検査や血液検査で膵臓がんが疑われた場合、次の検査と位置づけられています。
CTMRI検査では、がんの大きさや位置、周囲の臓器への広がり、転移の有無などを調べることができます。また、造影剤を使うことで、病変のより詳細な情報を得られます。
MRI検査の特殊なものに、膵管や胆管を映しだすMRCP検査があります。

細胞診・組織診
さまざまな画像診断を組み合わせても膵臓の腫瘤が悪性か良性かを判断しがたい場合には、細胞診・組織診で診断を確定させます。

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生活習慣病検査のお問い合わせは検査科まで

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