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検査科だより

検査科だよりVol.18 薬物血中濃度について

2010/09/28

薬物血中濃度とは? yakubutu_ristmk

 昔から薬は、匙(さじ)加減と言われるように、同じ薬を同じ用量だけ服用しても、人によって効果の出方が異なることがあります。
 例えば、お酒の強い人、弱い人がいるように、標準的な用量を服用しても、効き目の足りない人、ちょうどよい人、あるいは効き過ぎて副作用の出る人というように、薬の効き目には個人差(5~30倍)があります。
 それは、体の大きさ、肝臓での代謝能力、腎臓での排泄能力、腸管からの吸収性などにより、違いがあるようです。
  薬を投与して、その臨床効果と薬物血中濃度を比較すると、ある濃度以上で始めて効果を示す『最小有効濃度』と、ある濃度以上では中毒症状を示す『最小中毒濃度』があることがわかります。この濃度に基づき、最小有効濃度以下の濃度を効き目のない領域『非有効域』、最小有効濃度と最小中毒濃度の間を副作用の心配がなく、効き目が発揮される領域『有効域、治療濃度』、最小中毒濃度以上を『中毒域』と大まかに分けることが出来ます。
 いくら投与量が多くても薬物血中濃度が有効域以下では薬効は発揮されず、また投与量が少なくても中毒域に入っていれば副作用の発現がみられます。
 従って、血液中の薬物濃度を検査して、その値に基づいて一人一人の患者様の投与量をちょうどよい量になるように個別に調節し、有効で安全な薬物治療を目指すのが薬物血中濃度測定の目的と言えます。

 

どういう場合に薬物血中濃度が測られるのか?  
薬物による中毒や副作用が疑われる時 yakubutu_01
  薬物濃度の値から危険性の程度が判断され、適切な処置が行える。
腎機能、肝機能が低下して、投与量の設定が難しい時
  薬物の代謝が悪く体に蓄積されるため、標準的な用量用法
では値が高くなる。
薬剤を選択する時
  例えば、痙攣発作抑制のため抗てんかん薬を使う場合、
ある薬剤を使っても脳波など臨床症状が改善されない時の
判断材料として。
 
長期間服用している時  
  投与中の血中濃度が有効域に維持されているか。  

 

検査上の注意!

 血中濃度測定が必要な薬物療法の場合、投薬時間、投与後の採血時間が正確な情報を得るためとても大切になるため、毎月一定の時間(表参照)に採血をするのが望ましいです。
分離剤が入っているスピッツは薬剤が分離剤に吸収され検査値に影響を及ぼします(10~20%実測値より低値になります)ので、必ず分離剤なしのスピッツで、採血をして下さい。

 

項目 有効域
(治療濃度)
薬剤名 採血時間 所要
日数
◎ジギタリス製剤
 ジゴキシン  0.8~2.0ng/ml  ジゴキシン
 ジゴシン
 服用前
 服用後8時間
 1~2
◎抗てんかん剤、抗精神剤
 フェニトイン  10~20μg/ml  アレビアチン  服用前   1~2
 フェノバルビタール  10~40μg/ml  フェノバール  服用前  1~2
 カルバマゼピン  4~12μg/ml  テグレトール  服用前  1~2
 バルプロサンNa  50~100μg/ml  デパケン  服用前  1~2
 ゾニサミド  10~30μg/ml  エクセグラン  服用前  2~4
 クロナゼパム  10~70ng/ml  ランドセン  服用前  3~5
 ハロペリドール  3~17ng/ml   リントン
 セレネース
 服用前  2~4
 リチウム  0.6~1.2mEq/l   リーマス  服用前  2~3
 ブロムペリドール  15ng/ml以下  インプロメン  服用前  2~4
◎抗不整脈剤
 ジソピラミド  2~5μg/ml   リスモダン  服用3時間以降
 次回直前
 2~3
 メキシレチン  0.5~2.0μg/ml   メキシチール  服用3時間以降
 次回直前
 4~7
◎気管支拡張剤
 テオフィリン  10~20μg /  テオロング  服用2時間以降
 服用前 
 1~2

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