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2010/11/30
日本人の病死のトップを占め続ける「がん」。このがんを撲滅しようと、医学の最前線では様々な研究が進められていますが、最近、体内にできたがんの存在をキャッチする方法の一つとして、腫瘍マーカーが注目を集めています。腫瘍マーカーは、がんの早期発見への期待も高く、臨床現場でもいろいろな検査が実施されています。
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患者さんの血液を検査して体のどこかにがんがあるかどうを検査するものです。一回の少量の採血で、広範囲のがんについての情報を得ることができます。この検査では、体内でがん細胞が作り出す特有の物質(糖タンパク質やホルモン、酵素など)が、血液の中にどのくらいあるかを調べます。この物質が血中に高濃度に存在するようだと、体のどこかにがんがある可能性が高いわけです。
腫瘍マーカーとは、いわばがん細胞が体内にあることを示す目印(マーカー)というわけです。
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よく使われる腫瘍マーカーには、がん胎児性蛋白(CEA)、α(アルファー)-フェト蛋白(AFP)、CA19-9、PSAなどがあります。CEAは、大腸がんや胃がんをはじめとする広い範囲のがんで作られること がわかっています。 AFPは、おもに肝がんで作られます。CA19-9は、膵がんや胆のうがん、胃がんをはじめとする消化器のがんに、PSAは前立腺がんの診断に役立ちます。
他にも、腫瘍マーカーにはたくさんの種類があります。
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腫瘍マーカー検査を受けておくことで、無症状でレントゲンにも写らない程度のがんを早期に発見できるきっかけとなります。しかし、腫瘍マーカーは、腫瘍細胞だけでなく正常細胞でも作られます。腫瘍マーカーは良性疾患や喫煙などの生活習慣病で測定値が上昇する場合もあります。また腫瘍マーカーを作らないがんや、進行がんでも血中レベルが上がらない場合があります。 したがって・・・
* | 腫瘍マーカー値が高いからといって悪性腫瘍とは言い切れません |
* | 腫瘍マーカー値が低いからといって、がん細胞が存在しないと確定することもできません |
腫瘍マーカーでがんのすべてがわかるというわけではありません。腫瘍マーカーの結果とその他の検査結果とを合わせることで早期発見につながるのです。
次回のテーマ : 前立腺肥大と前立腺がんについて